2014/11/14 NISHIURA NIGHT vol.0(supported by BonBon NIGHT)


(ライブ写真:合田好宏、フライヤー写真:二階堂譲、文:仲真)

 ドラマー西浦謙助人生初の主催イベント、西浦ナイトvol.0。なぜ回数がゼロなのか確認したところ、イベントをやると決めてからいろいろあって西浦本人があまり動けなくなってしまい、元々DJなどで手伝ってもらおうと思っていた知人の♪Bon(DJとしても出演)に下北沢CLUB Queを紹介していただいたりと、かなりお手伝いしていただいたためであるとのこと。ちなみにQueは♪Bonが主催イベント「BonBon NIGHT」を開催している会場でもある

 

 当日、トップバッターは相対性理論に共に在籍していた&進行方向別通行区分のくそネジに似ているDJ 真部――の予定であったのだが、♪Bonが急遽代わりをつとめることに。フライヤーなどに「(※来ないかも)」と書いあったのはネタでも何でもなく本気だったそうだが、どうも来られそう、という状況で迎えた開場直前に、真部から西浦に遅刻するという連絡が入ったらしい。西浦が素で「マジで勘弁してくれよ」と凹みつつ電話している様子は印象的であった。

 ♪Bonが客入れDJの代打を無事につとめ、24:00からはライブアクトのトップバッター・チミドロのライブ。主催者の西浦とは初対面というvol.0感溢れるブッキングだ。

 

 初見のオーディエンスはMC・クスモを見た瞬間、「チミドロなのは本人たちではなく彼らに相対した人間である」と感じたに違いないが、そんな空気を察してか、クスモは猫好きをアピールして場を和ませる。MC・ハナイは彼らの主催イベントに出演経験のあるベッド・インと再び共演できることに感謝の言葉を述べつつ、「Vol.0ということでまだ始まってもいねえよ。ということで」「ベッド・インも出る。お通しみたいなもの」と謙虚に語る。そして「しかしお通しがまたくせになる」と酒呑み感溢れるMCから主催イベントの名称でもある「ゲットー酒場」でスタート。

 

 3曲目の、ライブ動画を本人にFacebookで言及されたこともあるDJ Funkのカバー「Pump It」のあとには、アイドル・ロック色が強いと思われるオーディエンスに対して、MC・ミヤマ(大阪のギャルショップで購入したらレシートに「ブラトップ」と書いてあったというベルトを着こなしていた)がシカゴ・ハウスやサンプリングの説明を簡潔にしようと試みる。MC自体は説明しようとすればするほど上手く要約できない罠に陥っていたが、確かなパフォーマンスで大枠はしっかりと伝わっていた気はするので問題なし。

チミドロMC
L to R:MC・クスモ、MC・ミヤマ、MC・ハナイ
チミドロ演奏陣
L to R:Ba・イチノミヤ、作詞作曲リーダー・スズキ、Syn・トミータ、サポートDr・ジュンヤ

 徐々にチミドロマナーをフロアに浸透させていく中、6曲目はJUKE/FOOTWORK界隈で話題のキラーチューン「わんにゃんパーク」。日頃チミドロが出演するダンスシーン寄りのイベントでは、FOOTWORKのステップを刻む観客も現れるBPMが一気に上がるパートではリズム隊の確かな演奏力が光る。「お通しの中のメインディッシュ」(ハナイ)との言葉に偽りなし。続いて、メロディアスなサビが印象的なラストの「SHINE旅行」を披露し、あっという間の30分強のアクトが終了した。

 続く転換DJは♪Bon。こちらは本来の予定通りの出番である。そして次なるライブアクトはぱいぱいぱいチーム。 昨年、Vo・山下泰平の仕事の都合により、ライブ活動が制限されていた来来来チームは、サポートボーカルを迎えてライブを行うようになっていた。そんな彼らが「歌って踊れるバンドウーマン」ぱいぱいでか美をボーカルに迎え、さらにH mountainsの畠山健嗣も参加しているのがぱいぱいぱいチームだ。1曲目は、ぱいぱいでか美のシングル『PAINPU』をプロデュースし、来来来チームとはコラボレーションアルバム『ポイドル』をリリースしている、大森靖子の「ミッドナイト清純異性交遊」で、フロアも一気に盛り上がる。 

 2曲目はブラックビスケッツの名曲「タイミング」、3曲目はフジロックに出演するかっこいいバンドなどへのオマージュだという「エモ(笑)」と続く。続く4曲目はぱいぱいでか美のソロアルバム『レッツドリーム小学校』収録の「long vacation」。いつもライブでは「アンガーの化身」だというぱいぱいでか美も、ライブ前に食べた雑炊の効果で既に打 ち上がった感覚があり、今日はピースフルだという。

ぱいぱいぱいチーム
L to R:Gt・畠山健嗣(H mountains)、Ba・柴田裕史(来来来チーム)、Vo・ぱいぱいでか美、Dr・張江浩司(来来来チーム)、Gt・荒本祥典(来来来チーム)

 MCでは、今後ぱいぱいぱいチームとしてリリースなども視野に入れたパーマネントな活動を行っていくことを発表。西浦ナイト出演後も、本稿をアップする2/14までにライブを何本もこなしてるのだが、その先駆けとしてDr・張江が運営するレーベル「ハリエンタル」のYouTubeチャンネルで、ぱいぱいでか美と張江のトーク「でか美とハリエのスッペシャルTV」が配信されることが告知された。

 

 続いて、ぱいぱいでか美は11/12に発売された(フラゲ日11日)ばかりの、ラストシングルとなるBerryz工房『ロマンスを語って/永久の歌』の魅力を熱く語る。自腹で20枚購入済みで、既に今日この場でファンにも4枚ほど配っているという。「最初で最後の1位がとれそうなので」と気になったらぜひ購入してほしいとオーディエンスに訴えかけた(結果は惜しくも、デビュー以来のシングルランキング連続1位ギネス記録を持つ、KinKi Kidsの『鍵のない箱』に次いでの2位)。ちなみに週明けにアップされた「スッペシャルTV」第1回では、13日の時点で16枚購入しているとぱいぱいでか美が語っているので、その後向かったタワーレコード渋谷店のイベントにおいて、さらに4枚買い足したであろうことが推測される。

 そして、5曲目「ボーイゾーン」を経て迎えた6曲目「PAINPU」のブレイクで、ぱいぱいでか美が突如、「今日生理なんですよ。がんばったでしょ? しかも3日目とか一番きついんだけど、明日飛行機で愛媛行かないといけないんですよ」とあけすけなMCを行ってアンガーの化身が降臨。ステージ上もフロアも大いに盛り上がったまま、ぱいぱいチームのアクトが終了した。

 ♪Bonが再び転換DJをつとめ、ステージ上に時代錯誤なバブル・オン(ベッド・インの手によってバブルメイクおよびコーディネイトを施されること)状態の男たちがスタンバイ。その名も「玉門占いズ」。

 

 3組目のライブアクトである、地下セクシーアイドルのベッド・インのライブは、ユニット形式とバンド形式がある。後者の場合、元々バンドをやっている2人が、シーンで知り合った仲間たちによるバンド「パートタイムラバーズ」を率いるのだが、この日は主催者の西浦謙助と、彼の働きかけによって集まった凄腕の傭兵たちが一夜限りの浮気相手をつとめるスペシャル編成であった。

玉門占いズ
玉門占いズL to R:Gt・高野京介(うみのて、ゲスバンド、大森靖子&THEピンクトカレフ)、Ba・田中貴(サニーデイ・サービス)、Dr・西浦謙助(進行方向別通行区分、ex.相対性理論)、Key・鈴木秋則(ex.センチメンタルバス)

 なぜか主催者の西浦だけ、バブル時代というよりも同時期にアフガンで怒りを抱えていそうな装いであったのだが、とにかく日頃それぞれのミュージシャンのファンでも見たことがないだろう、ぶっとび~な姿の4人を従え、主役のベッド・インも景気よく登場。

 

 Vo・益子寺かおりが「今日は深夜だけどみんなのムスコくんは元気だよねー?」と、早速初見のオーディエンスにこれ以上ない方向性の説明を済ませ、レベッカの「フレンズ」からライブがスタート。2曲目も工藤静香の「嵐の素顔」と20代半ばらしからぬチョイスのカバー曲2連発でたたみかける。続くかおりのMCによれば、玉門占いズの豪華メンバーを集められたのは「日頃の膣トレの賜物」とのこと。バックバンドのメンバーを探している女性アイドルの参考になれば幸いである。

ベッド・イン with 玉門占いズ
ベッド・インL to R:Voとおみ足担当・益子寺かおり、Gtとパイオツカイデー担当・中尊寺まい

 3曲目はオリジナルの「ワケあり DANCE たてついて」。いつも以上にワケありそうなバッグバンドだけに、ベッド・インのアクトも一層冴え渡る。

 

 曲終わりのMCでは、かおりが玉門占いズのメンバーを紹介する。鈴木は小室哲哉のよう、高野は怪しげなギターを引く男、田中はギロッポンな男で、昨晩かおりが田中と寝た際には下半身のダムが決壊したそうだ。イベント主催者の西浦は、「すごい短パン、すごいモッコリ、やまだかつてない大きさの主役」とのこと。

 

 同じくオリジナル曲の4曲目「POISON~プワゾン~」を披露した後は、「今抱けるアイドル」ベッド・インにとっては日常とはいえ、再びの深夜イベントらしいMCタイムに。西浦は絶倫そうで、好きな体位は宝船であるとベッド・インから衝撃の暴露が行われる。このサイトによれば「少し難易度の高い体位」であるという宝船。かおりも「宝船って普通レギュラーじゃないよね」と一言。よりメジャーなドラマーになるために、レギュラーな体位を知るべきなのか、レギュラーではない体位を知るべきなのか悩ましいところである。

 

 続く、ベッド・インのライブでは恒例の生着替えタイムでは、着替え用の幕を持つ役であるベンリ君に♪BonとQueのスタッフの方が指名された。その後のMCによると、着替え中、西浦の短パンははちきれそうになっていたらしい。そして水着姿になったベッド・インと、心なしか前傾姿勢でのプレイが増えたようにも感じられる玉門占いズが、最後の曲としてPINK SAPPHIREのカバー「P.S. I LOVE YOU」を披露。演奏による興奮とMCによる笑い声の絶えないアクトが終了した。

ベッド・イン with 玉門占いズ
ベッド・イン with 玉門占いズの、ライブ後の楽屋での集合写真。解散と再結成を繰り返す進行方向別通行区分に所属する西浦だけに、一夜限りとアナウンスされたこの座組を再び見ることができる可能性もゼロではないのかもしれない……。

 その後、イベントはDJタイムに。トップバッターはアイカワエリナ(リリーローズ)。ダンス・アイドル・ロックと様々なシーンが入り乱れるライブアクトと、そのファンが多いオーディエンスを向こうに回し、一風堂のカバーであるSHAZNA「すみれ September Love」、鈴木亜美「White Key」と続け、徐々にアップテンポなアイドルナンバーを畳み掛けていった。

 

 ライブアクトにぱいぱいでか美やベッド・インが登場していたことや、♪Bonの転換DJの際にもアイドルの楽曲が数曲挟み込まれたこともあってか、フロアもさまざまなアイドルのキラーチューンで大盛り上がり。最後のナンバーは、多種多様な出演者や客席でも知らない人などまずいないだろう電気グルーヴの「誰だ!」。石野卓球のシャウトに合わせて声を上げる人が続出した。

 続いてのDJはNachu(渋谷苺猟)。本日のDJ陣の中で唯一、DJをメインに活動して数多くの現場をこなしているだけあって、幅広い選曲でフロアを盛り上げていく。RIZEの「Why I'm Me」では「誰だ!」に負けない合唱が起こった。

 

 さらに、昭和感・バブル感もうっすら意識した選曲の数々に、物販ブースにいたベッド・インもDJブース前に突乳。途端に下北沢CLUB Queがジュリアナ感溢れる空間に変貌した。シャ乱Qの「ズルい女」はベッド・インに踊られるためにつくられた曲と言っても過言ではない。

Nachu with ベッド・イン
DJ Nachuとベッド・イン。下北沢でこれだけジュリ扇が振られた日は人類史上後にも先にもないのではないだろうか。

 NachuのDJが終わって、ステージ上に布とプロジェクターと椅子が用意される。ここで、友人でもあり、ドラマー・短パンという共通項を持つ、主催者の西浦と来来来チームの張江のトークが行われた。後ろにはバラエティ番組で笑い声を足す人的な立ち位置でベッド・インが座っている。時折、昭和にも程があるズレた笑い声で場に彩りを添えていた。

 

 トークの内容については、「音楽業界のひどい話」として友人の例を話していたはずが、いつの間にやら主語が「俺が」になっているなど、気になる点が多々あったため割愛。ただ、最もライトな話題のテーマだけを挙げておくと「音楽業界に学歴詐称は必要なのか」というものになる。また、最後までプロジェクターが使用されず、映像が一切流れなかったことも特筆に値するだろう。

西浦謙助&張江浩司
ベッド・インのおみ足担当・益子寺かおりに負けない美脚を披露した西浦&張江。

 トーク終了後、ついに23:30からDJをしている予定だったDJ 真部が登場。「元々来るつもりがなかったのでは?」と思っていたりもしたのだが、プレイを聴くと、遅刻の原因は不明だが、選曲・準備はしっかりしてきたのだな、と思いを改めざるを得なかった。さすがのポップ・マエストロぶりで、凄い良い曲だと思うけど、ちっとも知らないナンバーが多く唸らされた&ここに曲名を挙げることができなくて申し訳ありません。DJ機材の扱いそのものには慣れていないのか、友人でもある♪Bonの手ほどきを受けながらのプレイで、子どものようにスクラッチを繰り返すシーンなど、露出が極端に少ない真部の貴重な姿も見ることができた。

 その後、西浦もDJブースに登場し、相対性理論のリズム隊が勢揃い。元々のタイムテーブルでは、西浦も転換DJをつとめる予定であったのだが、真部の遅刻などのハプニングもあってか、本日初のDJプレイとなった。真部と共にブースに立ち、おしゃれテレビ「恋のテロリストNo.1(ケイちゃんののってけミサイル)」やリバーシブル吉岡「君はカモフラージュ」などをプレイ。気がつけばあっという間に始発が走り出す時間となり、NISHIURA NIGHT vol.0は無事にその幕を閉じたのであった。♪Bonにブッキングなどの助力を受けたことで第ゼロ回とした割には、西浦謙助にしかできない気がする良い意味でよく分からないイベントであった。